仏法最初の四天王寺
平成19年8月
「仏法最初の天王寺の石の鳥居これなれや」
能「弱法師」の謡です。大阪にある、四天王寺。
能「弱法師」の舞台でもあります。
ここは、日本最初の官寺。西暦593年に聖徳太子によって建立されました。
ここの伽藍配置は「四天王寺式伽藍配置」 といわれ、
南から北へ向かって中門、五重塔、金堂、講堂が一直線に並び、
それを回廊が囲んでいます。日本では最も古い建築様式の一つだそうです。

「弱法師」の謡にもでてくる「石の鳥居」です。「石の鳥居これなれや」とシテ柱に手を触れたり、肩をあてたりする型がありますが、この鳥居なんですね。額の文字は「釈迦如来 転法輪処 当極楽土 東門中心」と書いてあります。四天王寺のHPによりますと、『これは「 おシャカさんが説法を説く所であり、 ここが極楽の東門の中心である」の意』だそうです。またこの額は箕の形をしており「チリトリ」のように全ての願いをすくいとって漏らさない阿彌陀如来の本願を現しているそうです。 「石の鳥居」の奥にある西の門です。この門には、クルクル廻せる「輪棒」がついてました。これは「転法輪」と言い、仏陀が教えを説かれることを表す法輪を小さくしたもので、手で回すことにより「仏の法を教えて下さい」と挨拶代わりに回すのだそうです。
西門をすぎると、この景色です。南から北へ真っ直ぐ真っ直ぐ並ぶ「四天王寺伽藍」がよくわかりますね。真ん中に見える小さな屋根は、これを囲む回廊の一部です。 これが、南から見た景色です。五重塔が門の向こうに真っ直ぐきれいにみえますね。門の左右から回廊が伸びています。
「金堂のご本尊は。如意輪輪の仏像。救世観音とも申すとか」これもl、「弱法師」の謡の一部分。ここが金堂で、中のご本尊は「救世観音様」です。上の写真の左の建物です。ご本尊さまは、とっても綺麗なお顔をされてました。 一番左に見える屋根が「五重塔」。次の建物が「金堂」。その向こうが「講堂」。右に見える柱が「回廊」。これが「四天王寺式伽藍」です。
重要文化財の「六時堂」です。昼夜6回 にわたって諸礼讃をするところから六時礼讃堂というそうです。手前に見えるのは石舞台。これも重要文化財で、毎年4月22日の聖徳太子を偲んで行われる聖霊会舞楽大法要の際に、古来の作法にのっとり舞台上で舞楽が納められるそうです。 帰路につくころ、日が西に落ち始めていました。西の「石の鳥居」の間に日が落ちれば、とても綺麗な夕景色なんでしょうね。

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