能 楽 の 色 々 話 C

男 性 の 登 場
   若 い 男 性     若  武  者      武    者      老    人
面をつけない役もあります。これを「直面」と言います。「ひためん」と読みます。これは自分の顔が面になっていると言うことです。ですから目線を動かさず、またできる限りまばたきもしない。過酷な役です。写真は「養老」のツレ。礁夫です。水を汲む桶を持ち、背中に薪を背負い、親孝行の子供です。 これは、若武者。平家物語にある「敦盛の最期」。平敦盛は16歳で亡くなったのです。そこから来た面。その名も「十六」。子供っぽく少しふっくらで色白。おぼこい感じの面です。 少し年齢が上がり、壮年の武者です。「中将」と言う面です。眉間にしわがあり、また口ひげを蓄えています。写真では、梨打烏帽子の武者ですが、初冠を付け貴族の役にも用います。光源氏や在原業平、源融など男前さんの曲です。 一挙に年齢があがり、おじい
さんです。尉髪という特殊の鬘を用います。白髪で昔風のちょんまげのつけ方をします。他にも中国人の格好として、「スベラカシ」と言ってポニーテールのようにつけることもあります。
そ の 他 の 男 性
       僧       山  伏       少  年        旅  人
お坊さんのです。角帽子という頭巾を被っています。 テレビなどでこのような格好はご覧になった事のある方はたくさんいらっしゃるでしょうね。頭に兜巾(ときん)・肩からかけているのは篠懸(すずかけ)手には刺高(いらたか)と言う数珠を持ちます。刺高は丸玉でなくて、菱玉になっています。 少年の役です。「喝食」と言う面をつけます。「かっしき」と読みます。前髪のある面です。これは、元服前と言う意味です。頭髪も、喝食鬘と言う特殊なつけ方をします。 旅人です。掛素襖をいうのを着て、腰には小刀を差します。

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