能 楽 の 色 々 話 C

 女 性 の 登 場 
   若 い 女 性 @   若 い 女 性 A    中 年 の 女 性   年 配 の 女 性 
若い女性には「小面」と
言う面を使います。にっこり笑った可愛らしい面です。若い女性は、「色有」と言って赤色地や赤色段の装束を用います。
少し年齢が上がると「若女」
と言う面になります。小面の
にっこり差に対してこちらは微笑みかけている感じですね。これが赤色段の装束です。紅白の段になっているのがおわかりいただけますか?
さらに年齢が上がり、これは中年女性。面は、「深井」や「曲見」と言う面になります。写真は、「深井」の面です。年配女性には「無紅」と言って赤でないのを着用します。写真は、白と浅黄の段です。 さてさて、さらに年齢があがりました。もうおばあさんですね。その名も「姥」と言う面です。おばあさんの曲は、小野小町の曲が多いので他にも「小町老女」と言う面もあります。
 他 の 女 性 達
     天  女    女  武  者       精   霊     巫  女
「羽衣」の天女です。天女など神様関係には「増」と言う面を使います。一見無表情に見えたりもしますが、それは人を超えた存在。天女や神様、巫女にも用います。すべてお見通しと言うことでしょうか。 大河ドラマ「義経」にも出てくる女武者「巴御前」です。写真が小さくて大変わかりにくくて申し訳ないのですがこれは「増髪」「十寸髪」と言う面を使います。ともに「ますかみ」と読みます。神憑っている女性の曲にも用います。眉間にしわを寄せてきりりとした感じの面です。 草木の精霊や、動物の精霊も「増」や「若女」「小面」を使います。演じるシテの想いなどで面をチョイスします。写真は「胡蝶」といい蝶の精霊で面は「増」です。 神がかった巫女です。女武者の所でも書きましたがこれも「増髪」を使います。
     生   霊     鬼   女
「葵上」の生霊です。この面は「泥眼」(でいがん)といいます。眼が金泥になっています。これは人を超えた存在を表しています。この面は他に龍女にも使います。 能面で一番ポピュラーな面ではないでしょうか。「般若」です。何故般若と言うかといいますと、この最初の作者が「般若坊」と言う人だったからです。これももちろん金泥になっています。手に持っているのは打杖と言います。

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