謎の三柱鳥居・木嶋坐天照御魂神社
平成19年8月
京都のミステリースポットとして紹介される「木嶋坐天照御魂神社」
「このしまにますあまてるみたまじんじゃ」と読みます。
地元では「蚕の社(かいこのやしろ)」と呼ばれています。
ここは、続日本紀にも記述があるとっても古い神社。
創建は、推古朝時代と言われています。
日本に養蚕などの技術をもたらした、渡来人・秦氏ゆかりの神社。
養蚕社があることから「蚕の社」と呼ばれています。
この近くの広隆寺を建立したのも、秦氏です。
また、松尾大社や伏見稲荷も秦氏の創建です。
秦氏は、養蚕以外にも造酒技術ももたらしました。
秦氏創建の松尾大社は、お酒の神様です。
それは、またいつか松尾大社の巻で書きましょう。

この辺りを「太秦(うずまさ)」と言うのは、秦氏由来の地名であるといえます。

三条通に面して、一の鳥居が建っています。手前の赤い色の道は、京福電鉄の軌道敷です。京都で唯一の路面電車です。最寄り駅の名はもちろん「蚕の社」です。 ここが、神社の入り口。鳥居が新調されていて、
とっても綺麗な白木でした。天気がよかったので、
さらに綺麗に光っていました。
「木嶋座天照御魂神社」って書いてあります。 鳥居をくぐって、まず正面には拝殿。
ここが本殿です。祭神は、「天御中主命(アメノミナカヌシノカミ)」「大国魂神(大国主命)」「穂々出見命(ホホデミノミコト)」「鵜茅葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)」です。 本殿すぐ左の社。これが東本殿の養蚕社。
これが「かいこのやしろ」といわれた元。
本殿、すぐ左横にある鳥居。この奥に三柱の鳥居があります。 うっそうと生い茂った、木々の中にある三柱の鳥居。
鳥居は、池の中にあります。この池を「元糺の池(もとただすのいけ)」と言い、この辺を「元糺の森(もとただすのもり)」といいます。
夏の土用の丑の日に、この池に足を浸すと「しもやけ」や「脚気」にならないという言い伝えもあります。
さて、左の続き。鳥居の奥の茂った森が「元糺の森」です。現在、糺の森と言えば下賀茂神社ですね。能「賀茂」の謡にも出てきます。しかし、元々の糺の森はここであったのです。嵯峨天皇の時代に潔斎の場をここより下鴨神社に遷し、その時よりこの地を元糺の森と言うようになったようです。
境内には「かいこのやしろ」と書いた手水鉢が。 ここが、最寄り駅。
京福電車(通称・嵐電)の蚕の社駅。

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