三輪の山もと道もなし。檜原の奥を尋ねん
平成21年2月
「三輪の山もと道もなし。檜原の奥を尋ねん」
これは能「三輪」のシテの次第の謡い。
奈良県桜井市に「大神神社(おおみわじんじゃ)」があります。
大物主神を三輪山にお祀りされたのがはじまりです
三輪山自体がご神体なるので、本殿 はなく拝殿の奥にある
三ツ鳥居を通し、三輪山を拝します。

今回、行ったのは大神神社の摂社である「檜原神社」。
この地は「元伊勢」といいます。
いわゆる、伊勢神宮の前はここであるという事。
もともと宮中に祀られていた「天照大御神」を祀るべき理想の場所へ祀ろうと、
伊勢神宮にいたるまで、あちこちを転々としたのです。
そして一番最初に移動してきたのが、ここ「檜原神社」なのです。

この辺りは檜原台地といい、大和国中を一望できる絶好の地であります。
大和国を一望できる場所ですから、
最初に天照大御神を祀ろうとされたのも納得できます。

檜原神社の鳥居。
大きな注連縄を張り鳥居の形を作っています。
古来の、鳥居の形ですね。
檜原神社の境内です。
こちらが、檜原神社。 檜原神社からの景色です。
大和国の、山々が見渡せます。
ちょっとくすんでしまっていますが、
向かいに見えるのが「二上山」
その左が「葛城山」。下のほうには「天香具山」
「畝傍山」「耳成山」の大和三山も見えます。
道々にはこんなかわいいプレートが
埋め込んであります。
ここは「山の辺の道」と言います。
三輪山から春日山まで、山の裾を縫うように
通っている道です。
大和古道といい、太古より通っている道です。
上の写真の夕暮れです。夕日の中、
二上山の二つの山がきれいに浮かんでいます。
日が暮れ、お月さんが出てきました。 山の中の神社。もう真っ暗になりました。
月が出てくると、神秘性がましてなんだか
ゾクゾクしました。


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